日弁連の法曹人口に対する提言に関する町村官房長官の発言について
昨日か、日弁連から法曹人口の増員計画の見直しについて緊急提言をしたが、これに対して、町村官房長官は、日弁連の見識を疑うとした。その内容としては、自分たちの商売の黒字が保てないからといって、急に見直しを求めることを批判した。
しかし、我々は、法的サービスを提供する民間人であり、その民間人が自分の経営状態を気にすることが何が悪いのであろうか。黒字が保てなく赤字になる、それが外部的な要因で自分たちの正当な努力ではどうしようもないレベルの問題のときに、業界でその点について指摘する(今回の日弁連の提言はその点をふれていないある意味不十分な者ではある)ことが何が悪いのであろうか。我々はたしかに司法試験を合格して司法修習を国家の費用で受けており、ある程度の公的役割は採算度外視で甘んじなければいけないとは思っている。しかし、だからといって赤字まで甘んじなければいけないというのであろうか。
弁護士は、現在、既存の弁護士の約10%近い人員が毎年増員されているという未曾有の増員状態である。かような増員を経験した業界は聞いたことがない。しかも、法曹人口増大を求めた財界は特に法務部を拡充するなど、弁護士の採用に積極的ではない。さらに過疎地については弁護士があまねく存在する状態となってきている。これ以上、何処に弁護士の需要があるというのであろうか。
しかも、今回の法曹人口増大は、法科大学院という法曹養成機関としての責務を果たし得るか疑問視されている機関に対する大量の国費導入がされている。本当に弁護士が足りないのであれば、国費を導入しても増やせばいいが、現に就職難となっている中で、法科大学院への国費投入は、まさしく国費の無駄遣いである。
そして、司法改革における法曹人口増大について、一番努力していないのは政府である。というのは、このところの増員はすべて弁護士が増員されているだけであり、司法システムとして必要不可欠であり、しかも一番人数が足りない裁判官、検察官は何ら増員がされていない。町村氏は、不足気味の裁判官とか不足気味の検察官と。そういうところ全体を日弁連は見ていないと批判するが、そこを見ていないのはむしろ政府であり、町村氏自身の見識を大いに疑う。政府首脳が司法制度改革を何も理解せず、事実関係を把握せずに放言的なコメントをするとは、怒りを通り越して、悲しいものである。
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コメント
日弁連の見識と政府並びに世間一般の見識にこれだけ隔たりがあると一朝一夕には解決しないでしょうね
今回の緊急提言も集中砲火を浴びてるし
日弁連もいっその事、業界団体として業界擁護を前面に押し出し、もっと泥臭くてもいい気もする、医師会のようにね
弁護士会だけに任せてられないって若手のこんな会もできてました
http://www.wakaben.jp/
TVにも出てる石○弁護士がやってるようだけど
投稿: | 2008年7月24日 (木) 16時12分
コメントありがとうございます。
世間というかマスコミと弁護士会の意識のずれはあるだろうと思います。機会がある毎に説明はしているのですが、なかなか難しいところです。
投稿: 岡田一毅 | 2008年7月25日 (金) 03時51分